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文学少女もどき。
今、私文学少女。「春の雪(4月の雪じゃなくってよ)」にどっぷりはまり、言葉遣いにまで変化があらわれてきた今日この頃。「~してさし上げてよ」だの「存じ上げておりますわ」だの、ぽろぽろ日常会話に混ざってます。
私は日ごろから読書に励んでいるわけではなく、ある時読書スイッチが入って文学少女に変身し、疲れで眼が痙攣するくらい読みまくって、ブームが過ぎると全く本を読まなくなるムラのあるタイプです。今年の夏は内田康夫にはまり読みふけりました(もちろん母の蔵書)。 文学といえば、中学・高校の現代国語のテストの長文の続きっていつも気になりませんか?一部だけ抜粋してるから、私はいつも続きが気になって気になって、古文どころじゃありませんでした。実際全部読んでみると、その載っている文章から受ける印象と全く違う話って結構あって面白いです。 私が一番衝撃を受けたのは、大江健三郎の「芽むしり・仔うち」という本です。これは、高3の模試の問題だったのですが、少年少女が身を寄せ合って健気に生きてるという感じの描写で、どうしてそういう状況なのかはその文だけでは読み取れなかったけど、少年が病気の少女に食べ物を分け与えて励ましている、という内容の文章でした。そこだけ見るとほほえましい少年たちの恋の話のように思えます。当時お年頃だった(今もよ)私と友人たちは、どうしても続きが読みたくなりました。少年たちの恋物語の続きが知りたい!そして、学校の司書の先生に探してもらって、全部読むことになりました。 ・・・・。あれ?これってこんな話なの?恋の話じゃないじゃん。私たちはその内容にショックを受けました。 時は戦時中。主人公は教護院(いまの少年院)に何度もいれられていて、身を売って生活費を得ています。そして工場を抜け出した女工(これがあの病気の少女)と同棲しているんだよね。たしかまた、教護院に入ってて疎開するんだった気がする(うろ覚えでごめんなさい)。そこには少年の弟とか札付きのワルがたくさんいて、みんなで田舎の村にいくの。そこで生活を始めるんだけど、村人は少年たちをよく思ってない(まあそうだろうね)。そこでも少年はいろんな人に取り入って身売りをするんだよね。当時はかなりショックだったよ。そうこうしているうちに伝染病が流行りだし、少年たちは村に閉じ込められちゃうのです(川で囲まれてて橋壊されちゃうのかな)。食料もままならない中でみんな次々死んでいって、最後に弟と二人きりになって、大人が住んでる里に降りて助けを求めようとするんです。すると村人たちは鍬や鎌をもって彼らを殺そうとするんです。「悪い芽は早く摘み取らなければ。ダメな牛は仔牛の時に撃ち殺さなければ」と。少年は泣きじゃくりながら逃げ惑うってところで終わるんだけど、最後捕まって殺されちゃうんだろうなあって終わり方。弟も殺されちゃうし。タイトルにはそんな意味があったのね。 この話は、恋愛ものではなくい、人間の本質を見つめた作品だと思います。人間って追い詰められるとどんな残酷なことも出来てしまうのね・・・と思いました。 もしかしたら内容がちょっと違うかもしれません。なんせ3年以上も前の話なんで。私ももう一度読んでみようと思います。時がたつと感じ方も違うと思うので。新たに発見できることがあるかもしれないです。本は何回読んでも面白い。
by piyopiyo-thig-le
| 2005-11-13 01:06
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